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ABM(アカウントベースドマーケティング)は、近年、大企業営業において注目を集めているマーケティング戦略です。
従来の幅広くリードを集める手法とは異なり、あらかじめ特定した企業にアプローチするのが特徴で、商材によっては非常に高い効果を発揮します。本記事では、ABMの意味やメリット・デメリット、ツールの選び方などをわかりやすく解説します。
ABMとは?

ABMとは、特定の企業をターゲットに設定し、それぞれの企業に最適化したアプローチを行うマーケティング戦略です。
例えば、自動車部品を扱う企業であれば、A社といったように特定の自動車メーカーをターゲットに設定してアプローチします。マーケティングと営業が連携して戦略的にアプローチする点が特徴です。
ABMの目的は、売上の最大化です。成約率の向上に加えて、リピート購入やクロスセル・アップセルによる売上拡大が期待できます。
ABMに向いている商材例
- 継続的に購入されやすい商材
- 商品単価が高い商材
- 営業候補先が少ないニッチな商材
- アップセル・クロスセルがしやすい商材
特に、一度の成約で大きな成果が見込める大企業をターゲットにしたBtoB営業に向いています。なお、アップセルとはより上位の商材を提案・販売する手法、クロスセルとは関連する商材を併せて提案・販売する手法です。
従来のマーケティング戦略との違い

従来のBtoBマーケティングでは、最初にできるだけ多くの見込み顧客を集め、その中から有望な顧客を選定して商談・成約につなげる手法が主流でした。この手法は、「 デマンドジェネレーション 」と呼ばれています。
一方、ABMはターゲットを絞り込むことから始まります。
このように、ABMとデマンドジェネレーションの違いは、ターゲットの選定方法です。ターゲットを「特定の企業に絞るか」、それとも「幅広い見込み顧客の中から選定するか」という点が異なります。
BtoB営業でABMが注目される背景
近年はデジタル技術やAI技術の進化により、営業・マーケティングを支援するツールが進化しました。
その結果、企業データや行動データをもとに、狙うべき企業を高い精度で絞り込めるようになっています。つまり、「どの企業に注力すべきか」をデータに基づいて判断できる環境が整いつつあります。
また、顧客ニーズの高度化・細分化が進んでいる点も背景のひとつです。企業ごとに抱える課題が異なってきており、同じ提案をしても受注につながりにくくなっています。そこで、企業独自の課題やニーズに最適化したアプローチが必要とされています。
こうした背景から、ABMはBtoB営業のマーケティング手法として、注目されているのです。
ABMを導入するメリット
ABMのメリットは、限られたリソースを優良顧客や大口顧客になる可能性の高い大企業に集中できる点です。ターゲットを特定の企業に絞ることで、マーケティングと営業の連携も取りやすくなり、共通の目標に向かって一貫性のある施策を展開できます。また、優良顧客と継続的な関係を構築することは、事業の安定化や売上の最大化につながります。
ABMを導入するデメリット
ABMのデメリットは、ターゲット企業を絞り込む分、施策の計画や運用に手間と時間がかかる点です。企業ごとに最適化した提案やコンテンツを準備する必要があるため、マーケティングや営業の負担は大きくなります。投下するリソースに見合う成果を得るには、一定の取引規模が見込める大企業に絞る必要があります。
また、対応できる企業数には限りがあるため、短期的にリード数を増やす施策には向いていません。さらに、ターゲット選定を誤ると、多くのリソースを投下しても成果につながらないリスクがあります。
商材の幅が狭い場合は、クロスセルやアップセルによる売上拡大が期待しにくく、投資に見合う成果を得られない恐れがあります。ABMで十分な成果を上げるためには、あらかじめ自社の商材やビジネスモデルとの相性を見極めることが重要です。
ABMの具体的な進め方・導入手順
ABMは特定の企業にリソースを集中するため、失敗すると損失も大きくなります。成功確率を上げるためには、次の手順に沿って段階的に進めていくことが重要です。
1. ターゲット企業の設定
ターゲット企業の設定は、特に重要なステップです。まずは自社の商材と相性が良く、将来的に大きな取引が見込める大企業をリストアップします。候補の企業をもれなく洗い出したうえで、企業の情報を収集・分析し、アプローチの優先順位を決定します。
2. 企業の課題やニーズ、キーパーソンの調査
次に、ターゲット企業の課題やニーズ、意思決定に関わるキーパーソンを調査します。事業内容や業界動向、直近のニュース、IR情報などの公開情報の調査に加え、電話やメールによるインサイドセールスを通じて情報を収集します。この調査の精度がアプローチの質に直結するため、重要なステップです。
3. アプローチ方法の検討
調査した内容をもとに、「どのような切り口で、誰に、どの方法でアプローチするか」を計画します。
メール、セミナー、営業訪問などの手法を組み合わせ、ターゲット企業ごとに最適なアプローチ方法を検討することが重要です。場合によっては、その企業専用のコンテンツを作成して訴求するのも効果があります。
4. アプローチの実行
策定した計画に沿ってアプローチを実施します。継続的に接点を作り、関係性を深めていくことがポイントです。またマーケティングと営業が連携し、組織全体で取り組むことで一貫性のある提案ができます。
5. 結果分析・改善
施策の実行後は、施策を振り返り、うまくいった点・改善すべき点を分析します。その結果をもとに、アプローチ方法を見直し、次の施策に反映します。この改善サイクルを回し続けることが、ABM成功の鍵です。
ABM実践に欠かせないツールの選び方と種類
ABMの実践には、ABMツールを活用するのが一般的です。手作業でターゲット企業の選定や情報管理、施策の実施・分析までを行うのは困難なためです。ABMツールを選ぶ際は、特に次のポイントを重視しましょう。
- 条件を指定して企業を抽出できる機能があるか
- 業種・規模・動向など、企業の情報を参照できるか
- 既存のツールと連携できるか
また、ABMツールと他のマーケティング支援ツールを組み合わせて活用することで、さらに効果を高められます。代表的なツールの種類は、以下のとおりです。
主なABMツールの種類
メール配信や顧客の行動管理などを自動化し、見込み顧客の育成を効率化するツールです。
商談の進捗や営業活動を管理・可視化し、営業を効率化するツールです。
顧客情報や取引履歴を一元管理し、顧客との継続的な関係構築を支援するツールです。
ABMツールを軸にしながら、自社の商材やビジネスモデルに合わせて、マーケティング支援ツールを適切に組み合わせていくことがポイントです。
ABMで売上の最大化をめざそう
ABMは、特定の企業にターゲットを絞り、最適なアプローチを行うBtoB向けのマーケティング手法です。マーケティングや営業などのリソースを優良顧客に集中することで、売上の最大化をめざせる点が特徴です。
成功のポイントは、正確なターゲット選定、手順に沿った運用、適切なツールの活用にあります。大企業営業で成果を上げたい方は、この機会にABMを検討してみましょう。
よくある質問(FAQ)
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは何ですか?
ABMと従来のマーケティング手法の違いは何ですか?
ABMを導入するメリット・デメリットを教えてください。
リソースを優良顧客に集中できるため、効率よく売上の最大化を目指せます。また、営業とマーケティングの連携が強化されやすいのも特徴です。
【デメリット】
企業ごとに個別のアプローチを行うため、手間と時間がかかります。また、ターゲット選定を誤ると成果が出にくく、短期的なリード獲得には不向きです。
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