問題と課題の違いを把握しておくことは、ビジネスパーソンにとって重要です。
意味を混同すると、事業や業務の改善策の方向性がずれたり、リソース配分を誤ったりするリスクがあるためです。言い換えると、両者の違いを把握しておくことで、成果につながる対策を打ち出しやすくなります。
本記事では、問題と課題の違いに加えて、ビジネスにおいて理解しておくべき理由をわかりやすく解説します。
そもそも「問題」と「課題」はどう違う?

問題と課題の違いをまとめると次のとおりです。
問題:現状と目標の間にあるギャップ 課題:ギャップを埋めるための取り組み |
ビジネスの現場では、問題と課題を同じ意味で使っているように見えるかもしれませんが、厳密には異なります。それぞれの言葉の意味を詳しく解説します。
問題とは
問題とは、目標と現状の間にあるギャップのことです。目標は「なりたい将来」や「理想の状態」を指します。つまり、目標達成のために乗り越えるべきものが問題です。具体例で示すと、次のようになります。
目標:全社員の研修受講率100% 現状:受講率75% 問題:25%の社員が未受講 |
このように、問題はトラブルではなく、理想と現状の差として捉えることが重要です。
課題とは
課題とは、問題を解決するための取り組みです。問題を把握したうえで、「どのように改善すれば目標に近づけるか」を検討することで課題が明確になります。先ほどの例の問題は「25%の社員が未受講」でした。この課題は、次のように設定できます。
・社員への受講状況の周知を徹底する ・受講しやすいスケジュールや環境を整える |
このように、一つの問題から複数の課題を設定することも可能です。
対策とは
対策とは、課題を実現するための具体的なアクションで、問題や課題と一緒に押さえておきたい言葉です。具体例は次のとおりです。
課題:受講しやすいスケジュールや環境を整える 対策:部署ごとに受講日程を調整し、進捗を管理する |
課題は「何に取り組むか」という方向性を示し、対策は「具体的にどう行動するか」を示します。
問題と課題の違いを身近な例で考えてみよう
ここでは、ビジネスでよくある目標を例に、問題・課題・対策の関係を整理してみました。
例① 売上拡大
目標 | 今期の売上は1億円を達成する |
現状 | 売上が9,000万円にとどまっている |
問題 | 売上が1,000万円不足している |
課題 | 購入促進施策を強化する |
対策 | 既存顧客向けキャンペーンを実施して再購入を促す |
例② 新規顧客獲得
目標 | 月あたり新規顧客50人を獲得する |
現状 | 今月は新規顧客35人を獲得している |
問題 | 新規顧客をあと15人獲得する必要がある |
課題 | 新規顧客獲得施策を強化する |
対策 | 営業チームでターゲット企業を再分析し、優先度の高いリストを作成する |
例③ コスト削減
目標 | 人件費を予算の1億円以内に収める |
現状 | 今期の人件費は1億1,000万円となった |
問題 | 予算を1,000万円超過している |
課題 | 業務の効率化を図り、人件費を削減する |
対策 | 定型作業やデータ集計業務をツールで自動化する |
このように整理することで、目標達成に向けた具体的なアクションが明確になり、業務改善や成果につながります。
なぜこの違いが重要なのか?
問題と課題の違いを正しく理解しておくと、次の3つのメリットがあります。これらのメリットが、違いを把握しておくべき理由と言えます。
1. 課題や対策の精度の向上
問題と課題の違いを理解しておくと、目標から対策までを順序立てて整理しやすくなります。その結果、取り組むべき課題や具体的な対策が明確になり、精度の高い施策を打ち出せます。成果につながる課題を設定するためにも、両者の違いを押さえておくことが重要です。
2. リソース配分を最適化できる
課題が明確であれば、リソースを優先度の高い取り組みに集中できます。結果として、無駄を削減しつつ、効率的に成果を上げられるようになります。
3. チームの認識を揃えられる
チーム全体で問題と課題の意味を正しく理解しておくと、共通認識を持ちやすくなります。何が問題で、どの課題に取り組むべきかをチーム全員で共有しやすくなるためです。その結果、チーム全体の方向性が揃うでしょう。
4.顧客のニーズを正確に捉えられる
問題と課題の違いは、顧客へのヒアリング時にも重要になります。顧客は、しばしば表面的な問題(例:コストが高い、作業に時間がかかる)しか認識していないことがあります。しかし、その背後には、より根本的な課題(例:非効率的なワークフロー、部門間の連携不足)が隠れていることがあります。
営業担当者がこのギャップを見抜くことで、顧客が自覚していない真のニーズにアプローチできます。これにより、単なる製品やサービスの提供にとどまらず、顧客の根本的な問題解決に貢献する本質的な価値を提供できるでしょう。
明日からできる!問題と課題の見極め方

ここではすぐにでもビジネスに役立てられるように、問題と課題の見極め方の手順を解説します。
手順①:目標の設定
最初のステップは、目標を設定することです。「なりたい状態」や「理想の姿」を明確にしましょう。ポイントは売上高や販売数量など、測定できる指標を用いることです。数値で表せる目標にすることで、進捗を客観的に確認できるようになります。
手順②:現状の分析
次に、現状を正確に分析します。現状の認識が不正確だと、問題の特定や課題の設定を適切に行えないためです。ここでは、客観的なデータをもとに現状を把握します。主観や思い込みで設定すると、実際の状況とズレが生じる可能性があるので注意しましょう。
手順③:問題を設定
目標と現状の差を問題として設定します。例えば、目標が売上高1,000万円で現状が900万円なら、「売上高が100万円不足している」が問題です。このようにギャップを明確にし、それを克服すれば目標達成につながる内容にします。
手順④:課題の設定
課題を設定する際のポイントは、「問題を解決するために何をすべきか」を明確にすることです。例えば、「売上が100万円不足している」という問題に対しては、「新規顧客を増やす」「既存顧客の再購入を促す」といった取り組みが課題です。
設定した課題をもとに具体的な対策を検討し、実行と改善を繰り返すことで、目標達成に近づいていきます。
問題と課題を意識して使い分けよう
問題と課題の違いを意識して使い分けることで、課題や対策の精度が高まります。結果として、リソース配分が最適化され、効率的に目標の達成を目指せます。成果を上げたいビジネスパーソンは、2つの違いを意識して使い分けてみましょう。
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